中上級ランナー必須のトレーニング「インターバル走」とは?その効果やトレーニング方法をご紹介

更新日:2022/10/08

走る楽しさに魅了されフルマラソンを完走できるランナーが次に追い求めるものといえば記録でしょう。初めのうちはただただ走って距離を積むだけで伸びていた記録も、サブ4、サブ3.5といったレベルを超えてくると、こういったペース走やジョグだけでは記録の更新が厳しくなってきます。
そこで重要になってくる要素の1つがスピードの底上げです。今回はこのスピードの底上げが必須課題である中上級ランナー向けのトレーニング「インターバル走」についてご紹介します。

インターバル走とは

インターバル走とは一定の距離や時間を速い速度で走り、その後ジョグのようなゆったりとしたペースで走る、疾走と緩走を繰り返すトレーニングです。
例えば「1000mを4分で疾走し、400mを3分でジョグで繋ぎ、これを5本繰り返す」といったような練習法を指しています。

インターバル走のトレーニング効果

インターバル走には一般的にどのようなトレーニング効果があるのかを説明していきます。

最大酸素摂取量(VO2max)の向上


最大酸素摂取量とは、1分間に体重1kgあたり取り込むことのできる酸素の量を指します。
最大酸素摂取量は最大酸素摂取量に達する強い負荷をかけることで向上させることができるといわれており、インターバル走では速い速度で疾走することでこの負荷を繰り返しかけることができます。
酸素は血流にのって体の各部位に送られるため、最大酸素摂取量が向上すると一回の心拍で多くの酸素が供給できるようになります。
このため、心拍が低く保たれ、マラソンに必要な持久力を維持することができます。

スピード持久力が高まる

速いペースを長く維持できる筋持久力がスピード持久力です。インターバル走では負荷をかけた疾走と緩走を繰り返すため、このスピード持久力を高めることができます。
また、疾走区間はレースペース以上の速度となるため、速筋が鍛えられ、スピード自体の向上やそれに伴うフォームの改善も期待できます。

レストの時間によってトレーニング効果が変わる


インターバル走のトレーニング効果である最大酸素摂取量を向上させるためには、トレーニング中に最大酸素摂取量の出現時間を増やす必要があります。
アメリカの著名なランニング指導者であるジャック・ダニエルズ氏によると、最大酸素摂取量で運動できる時間は限りがあり、一度の疾走時間を5分以内で収めるのが良いとされています。</p><p>疾走時間が5分を超えると血中乳酸濃度が増えペースを維持することが困難になったり、逆にレストが長すぎると疾走区間で心拍を上げ切ることができず、最大酸素摂取量のトレーニングとしては意味が薄れてしまいます。

ペース設定の方法

では、どういったペース設定がトレーニング効果を高めるのに有効なのでしょうか?
疾走区間のペースを決めるためにダニエルズ氏公認のWeb計算機で計算することができます。https://runsmartproject.com/calculator/
ハーフマラソンのタイムが1時間25分の私の例では、VDOT54.1で1kmのインターバルペースは3分40秒程度がよいということになっています。

おすすめのインターバルトレーニング方法

1000m×3〜5本(レスト400mジョグ)

定番のインターバルトレーニングといえるのがこの1000mのインターバル走でしょう。
ダニエルズ氏の理論によると、レストのジョグの時間は疾走区間と同じかやや短いくらいがよいとされています。
また、疾走開始から最大酸素摂取量に達するには2分ほどされており、上級者にとっては1000mでは最大酸素摂取量の出現時間が短いかもしれません。
その場合は、レストのジョグを200mに減らしたり、疾走区間を1200〜1400mに増やすなど調整してみてください。

ヤッソ800

最大酸素摂取量の心拍値まで疾走するインターバル走と異なり、ヤッソ800は中程度の強度のインターバルトレーニングといえます。
具体的には800mの疾走の後に、400mのレストのジョグを疾走時間と同じ時間とります。例えば3分で800mを走ったら3分で400mを走るといった感じでこれを10本くりかします。
疾走区間がそこまで速くないことに加え、レスト時間が長くなるため、心肺機能向上のトレーニングとしては効果が薄いですが、トレーニング全体の距離があるため、スピード持久力の向上として有効といえます。
ヤッソ800に関してはこちらの記事で詳しく紹介していますのでぜひご確認ください。https://runshoe.net/articles/91/

インターバル走でスピードを養いさらなる記録の更新を目指そう

インターバル走は心肺機能やスピード持久力の向上に非常に有効的なトレーニングですが、それだけに体への負荷が大きく、ケガにもつながりやすいトレーニングともいえます。
そのため、頻度しては週に1〜2回をトレーニング回数の限度としてください。
インターバル走を普段の練習にうまく取り入れて、さらなる記録の更新を目指しましょう。

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