ランナーズニー(ランナー膝)の原因と筋トレやストレッチによる対処法

更新日:2022/10/08

ランニングをしばらく続けていると膝の外側がズキズキと痛み、走れなくなってしまうことがあります。ランナーズニーと呼ばれるこの症状は特にランニングを始めたばかりのランナーや、距離やスピードなど負荷を急にかけた練習をかけたランナーに発症しやすく、悪化すると膝を曲げただけでも痛むようになり、日常生活にも影響を与えてしまいます。
今回はこのランナーズニーの原因や対処法としての筋トレやストレッチなどについてご紹介します。

ランナーズニー(ランナー膝)とは?


ランナーズニー(ランナー膝)とは腸脛靱帯炎と呼ばれるスポーツ障害の総称で、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで膝関節と骨が擦れて痛みが発生する症状を指します。特に長い距離を走るマラソンなどはこの屈伸運動の連続のため、症状が発症しやすく、ランナーが一度は通る道とも言われています。
症状の初めの頃は膝への不快感・違和感が生じ、休憩を取るとそれが消える程度ですが、ランニング中しばらくすると痛みが出てくる、階段の上り下りが辛い、歩くこともままならないなど、重度になるにつれ症状が悪化し日常生活にも影響を与えていきます。
また、ランナーズニーは一度症状が出ると再発しやすい傾向があり、痛みが消えたと思って走り出すとまた痛みが出るなど非常に厄介で、せっかくの積み重ねた練習を無駄にしかねないランニング障害と言えます。
筆者も本格的にマラソントレーニングを始めたランニング2年目にこの症状が現れ、当時は症状が治まっていないのに騙し騙し走ってみたりした結果、症状が長引き完治までに半年以上を要しました。

ランナーズニー(ランナー膝)の原因


ランナーズニーは骨盤から膝の脛骨にいたる靭帯(腸脛靭帯)に負荷がかかった時、この靭帯と骨が擦れることで痛みが生じます。
では、なぜこのようなことが発生するのでしょうか。主に以下のような原因で靭帯に負荷がかかっています。

  • 一般的に道路は水捌けをよくするために外側に向かって下がっているため、そうした道を走るうちに自然と脚の外側に負荷がかかる。
  • トレイルランニングのような下りの多いランニングで、片側の脚ばかり使ってしまい負荷がかかる。
  • 足首の柔軟性が乏しくつま先が外側を向いていたり、普段の何気ない動作(足を組む癖や床での横座りなど)によって体幹のずれや股関節の筋力低下が生じて、接地時に横に体が傾くことで負担がかかる。

以上のことから、つま先が外に向く動作、体幹が横に向く動作を改善することがランナーズニーの予防・対処として有効といえます。

ランナーズニー(ランナー膝)の予防・対処に有効な筋トレ・ストレッチ

まず大前提として既に膝に痛みが現れている場合には、完全休養し状態が和らぐか経過観察を行ってください。2週間以上痛みが引かない場合は関節を痛めていたり、骨に異常が出ている可能性もあるため整形外科への受診をおすすめします
ランナーズニーである場合でも、まず数日は完全休養してください。ストイックにトレーニングに励んでいるランナーほど、何もしないことはストレスを感じるかと思いますが、無理をしたり騙し騙しトレーニングすることがかえって症状を悪化させる原因になってしまいます。</p><p>ランナーズニーの症状が和らいだ状態か、または、現在症状はないが予防したい場合、以下のような筋トレ・ストレッチが有効です。是非取り入れてみてください。

対処法① 筋膜リリース

筋膜リリースは脚関節の可動性と筋膜の癒着の改善に有効です。腸脛靱帯の痛みが出ていると、痛みのトリガーポイントが形成されている場合があります。このトリガーポイントに圧をかけることで筋膜と筋肉の癒着を取り除くことができ、痛みが緩和されることが期待できます。

対処法② 中臀筋トレーニング

接地時に体が傾く原因は様々ですが、1つの原因として中臀筋の機能不全が挙げられます。中臀筋の筋力が低下していると、接地時に体が横に傾いてしまい、腸脛靭帯に過度な負荷がかかってしまいます

サイドレッグレイズはこの中臀筋を鍛えるトレーニングで、体の軸と中臀筋を意識しながらトレーニングを行うことで効率的に体の傾きを改善することできます。

対処法③ 中臀筋ストレッチ

①は腸脛靱帯に直接アプローチし痛みを緩和する方法、②は中臀筋の筋力を向上し体の傾きを抑える方法でしたが、このストレッチは中臀筋を伸ばすことによって腸脛靱帯に柔軟性が出て膝の痛みが緩和されるというものです。

痛みが和らいできたら

痛みが和らぎランニングを再開する際には、サポーターを使用することで膝への負担が小さくなるためおすすめです。ザムストの膝用サポーターRK-1はらせん状に引っ張りあげる内旋制限ストラップが搭載されているため、膝の外側への負担が軽減され、ランナーズニーのランナーには特に有効といえるでしょう。

ザムスト RK-1

正しい筋トレやストレッチでランナーズニーを克服しよう

治ったと思っても再発しやすいのがランナーズニーです。痛みが取れたあとも、まずは短い距離、短い時間で負荷の小さいトレーニングから始めてください。
また、正しい筋トレやストレッチを普段から取り入れ、ケガの防止に努めましょう。

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