アディダスのランニングシューズといえば、そのミッドソールに搭載された「BOOST(ブースト)」が有名です。各ブランドがミッドソールの開発に力を入れる中2013年の登場したブーストは、ランナーに根強い人気を博してきました。しかしながら、ブーストがなぜこれほどの人気になったのか、またどのようなテクノロジーが用いられているのかを知るランナーは少ないことでしょう。
今回はアディダスのブーストの特徴や搭載したランニングシューズの種類をご紹介します。
アディダスのBOOST(ブースト)の特徴
30年振りの技術革新
従来のランニングシューズのミッドソール素材といえばEVA(エチレンビニルアセレート)もしくはPU(ポリウレタン)でした。アディダスのランニングシューズもこの30年あまり、ミッドソールに大きな変化はありませんでした。そんな中、突如として2013年に登場したのがアディダスの新素材ブーストフォームでした。
TPUが生み出す反発力
ブーストはアディダスとドイツのBASFによって開発されました。TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)を発砲させ粒子状し、連結した構造の素材が耐久性を増すとともに、衝撃吸収性・反発性を生み出しています。さらに気温による、ミッドソールの硬度変化が少ないのも特徴で、太陽の日差し、雨、雪などあらゆるコンディションで反発性を維持しています。
ブースト素材の種類
実はこのブーストフォームは3種類のモデルがあります。1つは通常のブースト、もう1つはブースト5周年の2018年に発表されたブーストライト、そして2019年に発表された、より硬度を増したブーストHDです。ブーストライトはエリートランナー向けのフォームでアディゼロsub2に搭載されています。反発性とグリップを維持しつつも、軽量化されたブーストとなっています。また、ブーストHDはフォームを高密度で製造することで硬度を増し、初心者ランナーでも安定した走りを実現することができます。