「速すぎる」と世界陸連の規定が見直されるなど、世間を賑わしたランニングシューズといえば、ナイキの厚底ランニングシューズでしょう。2時間5分50秒の日本記録を持つ大迫傑選手や世界の有名選手も厚底のヴェイパーフライを履いてきたことで注目を集め、スポーツショップでは売り切れが続出しました。
一部のエリート選手向けの厚底シューズ以外にも、ナイキではランナーのレベルに合わせた様々な厚底シューズを展開しています。
今回はナイキの厚底シューズをランナーのレベル別に特徴や選び方をご紹介します。
ナイキの厚底ランニングシューズの特徴や走り方・選び方
特徴的なフォーム素材
ナイキの厚底ランニングシューズの特徴としてまず挙げられるのは「カーボンファイバープレート」の存在です。カーボンファイバープレートとは航空宇宙産業で使う特殊素材で、このプレートの弾力が今までのシューズになかった推進力を生み出しています。
また、「リアクトフォーム」の存在も見逃せません。リアクトフォームはポリウレタン製のミッドソールでナイキが3年の年月をかけて開発しました。従来のランニングシューズに使用されていたEVA素材のクッショニング性を維持しつつ、弾力、軽量性、耐久性を強化したランナーがミッドソールに求める全てを詰め込んだ素材となっています。
さらに、フォームのクッショニング性を重視したミッドソール素材として「ズームX」があります。 ナイキの厚底ランニングシューズはこれらの素材のバランスにより、エリートランナーからビギナーまでのシューズをサポートしています。
メリット・デメリット
厚底ランニングシューズを使用するメリットは、そのフォームのクッショニング性と弾性があることから、着地による疲労感を低減できること、またストライドが伸びることが挙げられます。
ただし、ヴェイパーフライのようなエリートランナー向けのモデルでは、独特な重心移動やフォアフット(つま先)での着地が必要で、初心者ランナーが背伸びして履くと、シューズの効果を十分に得られないばかりか、脚への負担となり故障へ繋げてしまうおそれがあるので注意が必要です。
走り方と選び方
カーボンファイバープレートが搭載されたナイキの厚底ランニングシューズはヴェイパーフライ、ズームフライ、そして先日発表されたアルファフライの3種類です。これらのシューズはフォアフット(つま先)着地を前提としており、足の前足部にうまく重心移動していく感覚で走り続けないと着地の際にクッションに吸収されその弾性を十分に活かしきれません。また、重心移動は前足部への移動だけでなく斜め上へ蹴り上げるような動きを意識することでさらなる推進力を生むことができます。
もっとも、ナイキの厚底ランニングシューズではカーボンファイバープレートの搭載されていないモデルも存在するため、初心者はそちらのモデルを選ぶようにしたいところです。