世界的なスポーツブランドであるナイキでは、エアマックスのようなタウンユースで使えるスニーカーをはじめ、バスケットボールやフットボールなど様々な分野のスポーツシューズを開発してきました。
長年のシューズの研究により、ランニングシューズの分野では、独自のクッション性の高い素材を用いた初心者向けのモデルから、最近流行りになっているシリアスランナー向けの厚底シューズまで幅広いレベルのランナーに対応したシューズが数多く展開されています。
今回は市民ランナーの目標と言われるフルマラソン4時間以内、通称サブ4で走るランナー向けのナイキのランニングシューズをご紹介します。
ナイキのサブ4向けランニングシューズの選び方
ミッドソール種類から選ぶ
サブ4を目指すランナーのシューズにはシューズの軽量性と反発性といった相反する機能が必要です。
従来のナイキのミッドソールはEVA素材で開発された「ファイロン」「クシュロン」「ルナロン」といった素材が一般的でしたが、最近のシューズでは「Zoom Air」「Zoom X」「リアクト」の3つの素材が一般的になりました。
ここではそれぞれの素材の特徴を説明します。
Zoom Air
Zoom Airは10年におよぶ研究の末、1995年に初めて発表されたフォーム材で、初めはフットボールスパイクやバスケットボールシューズとして使われてきました。
Zoom Airの特徴として、弾むような反発性が挙げられます。これは高圧のエアユニットの内部に編み込まれた伸縮性の高い繊維が、ランナーの着地の動きに合わせて元に戻ろうとする力が働き、パワフルな反発性を生むためです。
搭載されているサブ4向けシューズには「ズーム ライバルフライ3」「ズーム ペガサス 39」などが挙げられます。
Zoom X
Zoom Xは軽量性はそのままに、Zoom Airの反発性をより強化させたフォームです。
一般的なランニングシューズのフォーム材のエネルギーリターン率が65%程度であるのに対して、Zoom Xでは85%という高い数値でシリアスランナーの走りをサポートします。
Zoom Xが搭載されているサブ4向けシューズには「ズーム ペガサス ターボ2」などが挙げられます。
リアクト
リアクトは若干硬度のあるポリウレタン製のプラスチックのような素材でZoom Xに比べスピード面では劣るものの、耐久性が高く反発性が続くトータルバランスの取れたフォームです。軽量でクッションのあるフォームは着地の安定感が損なわれることがありますが、リアクトは若干硬度のある素材のため、その点もカバーしています。
搭載されているサブ4向けシューズには「ズーム フライ 5」「ズーム ペガサス39」「ズームボメロ16」などが挙げられます。
高反発・軽量のZoom Xやリアクトを用いたシューズは値段もやや高額のためレースやポイント練習用に、トータルバランスの取れたZoom Airを用いたシューズは日々の練習用にと使い分けるのがよいでしょう。
カーボンプレートの有無で選ぶ
カーボンプレートはカーボンファイバープレートの略で、カーボンファイバーは樹脂(プラスチック)に炭素繊維を織り込んで強化した素材です。強くて軽い上に整形しやすいという特長があり、ミッドソールを元にもどそうとする力を増幅させて強い反発力を生み出み出します。
ナイキのカーボンプレート搭載シューズというと「ヴェイパーフライ」が有名ですが、レース向けに設計されているため足を守る基本構造を満たしておらず、サブ4程度の実力のランナーでは怪我のリスクが高まります。
「ズーム フライ 5」や「テンポ ネクスト%」はミッドソールに密度の高いリアクトが採用されており、シューズの安定性を補っています。