ランニングシーンにおいて、もはや無視できない存在となったスイス発のブランド「On(オン)」。その代名詞とも言えるのが、世界特許を取得しているソール形状「CloudTec®(クラウドテック)」です。
かつてランニングシューズのクッション性は「素材の厚み」に依存していました。しかし、厚くすれば重くなり、薄くすれば足への負担が増えるというジレンマがありました。Onは、この問題を素材ではなく「構造(空洞)」で解決。着地時の垂直・水平方向の衝撃を同時に吸収し、蹴り出し時にはその空洞が潰れ切って硬い土台となることで、圧倒的な推進力を生み出すことに成功しました。
この記事では、最新モデルのスペックを紐解きながら、CloudTec®がもたらす「雲の上の走り」の正体を専門的な視点で解剖します。
CloudTec®の正体|構造がもたらす3つのメリット

1. 3Dクッショニング:多方向への衝撃吸収
一般的なフォーム材は垂直方向の圧縮に強いですが、CloudTec®の「Cloudパーツ」は、着地時の前後方向(水平)の衝撃も吸収します。これにより、足が地面に刺さるようなブレーキを軽減し、スムーズな重心移動を可能にします。
2. 空洞が生む「ソフトな着地」と「力強い蹴り出し」
着地時にはパーツが潰れて衝撃を逃がし、完全に潰れた瞬間、ソールは硬いプラットフォームへと変貌します。この「クッションから反発への瞬時の切り替え」が、On特有のキレのある走行感の源です。
3. Speedboard®との相乗効果
CloudTec®の上部に配置された板状のパーツ「Speedboard®(スピードボード)」が、着地で蓄えたエネルギーをバネのようにしならせ、前方向への推進力へと変換します。
【スペック比較】最新モデルの数値から読み解く進化
最新のデイリートレーナー「Cloudrunner 2」と、前作を比較してみましょう。
項目 | 本モデル:Cloudrunner 2 | 比較対象:Cloudrunner (初代) |
重量 (27.0cm) | 約290g | 約300g |
ドロップ | 10mm | 9mm |
ミッドソール | Helion™ スーパーフォーム | Zero-Gravityフォーム |
CloudTec®構造 | 連結型CloudTec® | 独立型CloudTec® |
数値の変化がもたらす影響:
今作では素材が「Helion™」へアップデートされたことで、エネルギーリターンが向上。ドロップが1mm高くなったことで、より自然に前傾姿勢を促し、低速域でも勝手に足が前に出る感覚が強まっています。
構造解析で選ぶ!CloudTec®搭載おすすめシューズ3選
1. Cloudsurfer Next(クラウドサーファー ネクスト)
「次世代のヌルヌル動くクッション」
- 構造の秘密: コンピューター解析で生まれた「CloudTec Phase®」。ドミノ倒しのように連鎖して空洞が潰れます。
- 履き心地: プレートが入っていないため、Onの中で最も柔らかく、着地から蹴り出しまでが「ヌルッ」と滑らか。
- こんな人に: 走る楽しさを味わいたい、リカバリージョグや街履き。



